いま、自分はまっ暗な闇の中にいる、そう想像してみてください。前後も見えない深い闇の中にいる。そんな状況に置かれたら、誰もが不安になりますよね。心細くなりますよね。実はそれと同じことが、子どもが不登校になった親には訪れるのです。
とにかく先が見えない。これからどうすればいいのかが分からない。前後の見えない闇の中で、不安や心配ばかりがつのっていきます。文字通り「お先まっ暗」の状態に置かれてしまうのです。
そんなとき、役立つのは「情報」です。情報は、暗闇を照らす光になります。
たとえば本です。昔は少なかったのですが、いまは不登校関連の書籍がいっぱい出版されています。私の本を出してくださっている「びーんずネット」さんからもいっぱい出ていますが、他にもたくさんの良書があり、たいへん参考になります。
本が苦手という人には、漫画がおすすめです。不登校の当事者だった棚園正一さんの漫画などは特におすすめ。また、「かがみの孤城」のような不登校を題材にしたアニメの映画もあるし、NHKのテレビ番組でもときどき不登校が特集されます。
ネットを探せば、不登校のオンラインセミナーや、定期的に開催されるオンラインコミニティがあります。地域によってはリアルな不登校親の会もあるし、居場所を開設しているところもあります。そういう場所には、不登校を経験した先輩保護者がいて、いろいろ親切に教えてくれます。
最初は何でもいいんです。とにかく手当たりしだい、本なり漫画なりを買い揃え、セミナーに参加して情報を取ってください。情報の量が増えれば増えるほど、闇を照らす光は強くなります。
そして、少しでも前が見えれば、その先どうすればいいか、進むべき道が見えてきます。道が見えてくれば、希望が生まれます。心が軽くなります。心配や不安によって閉ざされていた視界が晴れ、家庭の雰囲気も明るくなってきます。それがまた不登校に悩む子どもに、よい影響を与えるのです。
停電したら、懐中電灯を手にしますよね。ロウソクを灯して、目の前を照らしますよね。不登校で心配になったら、ぜひ「情報」という懐中電灯を手に入れ、目の前を照らしてください。
子どもはいつになったら動き出すのだろう? そんな心配をするヒマがあったら、まずは自分から動きだしましょう。一歩前に進めば、道が開けてきます。進めば進むほど視界が開け、不登校の先が見えてきます。そして、いつしか暗雲のように垂れ込めていた心配や不安は消え、晴れ晴れとした心になっている自分に気がつきます。
そのために、まずは第一歩を踏みだしましょう。勇気を出して!